エチオピア民族舞踊について

エチオピアには、80を越す民族が暮しています。
民族毎に異なるユニークなステップ、独特のリズム。
バラエティ豊かなエチオピアのダンスは、3000年の歴史が育んだモザイク文化の象徴です。
何より素晴らしいのは、国中の人びとに愛され続ける生きたダンスであるということ。
そんなエチオピア民族舞踊の魅力をご紹介します。

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●ティグレ(最北部・ティグライ州)

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エチオピア最北部ティグライ州の人びとの踊りは、2拍子のタイコのビートが特徴的。
日本の盆踊りのように手を叩きながら輪になって踊ることもあります。
ダビデの竪琴の原型とも言われるクラールを掻き鳴らす音楽に合わせ、女性はナタラと呼ばれる白い綿のストールで全身を覆い、男性は、同じナタラを腰に巻きつけて淑やかに踊ります。

●ウォッロ(北部・アムハラ州)

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エチオピア北部アムハラ州の人びとの踊りは、ウスクスタと呼ばれます。
エチオピアの一弦ヴァイオリン・マシンコの憂いを帯びた旋律に乗せ、首・肩・胸を中心に使うダンスです。
代表的な踊りは、ゴンダール・ゴッジャム・ウォッロ等(名称は、全て発祥地に由来)ゴンダールは首の動き、ゴッジャムは震えるような胸の動き、ウォッロはタックを使った肩の動きに特徴があり、エチオピアで最もポピュラーな踊りのひとつでもあります。

●ソマリ(東部・ソマリ州)

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エチオピア東部に暮らすソマリの人びとは、アラブの影響を受け、イスラームを信仰する人々が多く暮らしています。
ムスリムならではの、髪をスカーフで覆うスタイルは、慎ましいソマリ女性の美しさを際立たせます。
男性は、大きな1枚布をロングスカートのように腰に巻いて踊ります。
太鼓のリズムに合せ、優雅に、けれど、しっかりとステップを踏みながら、男性は、しなやかに逞しく、女性は、長いスカートを蝶のように広げ、華麗に舞います。

●オロモ(中部・オロミア州)

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エチオピアで最も人口の多いオロモの人びとは、国の中央部から東部・南部・西部にかけて、広い範囲に渡り暮らしています。ショワ・ウォロガ・アルシ・バレオ等、地方により踊りの所作は異なりますが、男性は勇ましいライオンの鬣を模した毛皮を頭に被り、手に棒を持って激しくステップを踏み、女性は、長い髪を美しくなびかせ、八の字に激しく頭振るアルシ地方のダンスが有名です。

●グラゲ(中部~南東部・南部諸民族州)

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首都アジスアベバから南西に約100キロ。
エチオピアのほぼ中央に暮らすグラゲの人びとは、働き者。
そんな暮らしぶりが踊りのスタイルにも顕著に現れます。
女性は、長い髪が邪魔にならないようスカーフですっぽり覆い、衣装はパンツスタイル。
マラソンランナーのように絶え間なく踏むステップにもピッタリです。
アップテンポの曲に合せた、男性の軽やかで、しなやかな身のこなしは、グラゲダンス最大の見所です。

●ワライタ(南部・南部諸民族州)

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エチオピア南部に暮らすワライタの人びとの踊りは、なんと言っても腰の動きに特徴があります。
北部のアムハラやティグレの踊りが、首・肩・胸など、主に上半身を使うのに対し、南に下るほど、下半身の動きが激しくなってゆきます。
ショーに観るワライタの踊りは、エンターティメントとしての完成度も高く、軽快なリズムとコミカルな動きで観客を魅了します。

●ガンベラ(西部・ガンベラ州)
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エチオピアの西、スーダンとの国境付近にあるガンベラ州。
この地域に暮らす人びとの多くは、スラリと背が高く、エチオピアの他の地方の人びととは、少し面立ちも異なります。
ガンベラの踊りは、ウェストの素早い捻りが特徴的。
女性は、たくさんの宝貝で飾られたフリンジを左右に飛ばし、全身を使って楽器を奏でるようにジャラジャラと音を鳴らしながら踊ります。